四月は君の嘘を見ました
はい。かなり今さらですが、ほぼ予備知識も無い状態のまま、「四月は君の嘘」を原作漫画→アニメの順番で通して見終わりました。
2018年の桜が咲き乱れている最中にこの作品に出合い、桜が散った頃に美しいラストを見ました。(合わせたとかではなく、本当にたまたまだったのですが、、、)
きっと僕も有馬公生と同じように、桜が咲く季節には、この作品と宮園かをりを思い出すのでしょう。そのくらい美しく、僕の心に響き、深く刻まれた作品でした。
この作品が気になっている方で、未だ原作・アニメのどちらかを完結まで見ていない方は、先ずはどちらかを完結まで見て下さい。(映画を先に観るのはお勧めしません。)
※2周目、3週目の面白みもありますが、初回にしか味わえないモノがあります。
それを短い映画で感じるのは勿体ないです。
以後、ネタバレなどを気にせずに書きますので、ご注意下さい。
四月は君の嘘は、尾田栄一郎先生が嫉妬(絶賛)した漫画
僕がこの作品を読んでみようと思ったきっかけは、とあるバラエティテレビ番組でワンピース(ONEPEACE)の作者「尾田栄一郎」先生が”嫉妬した漫画”として紹介された。という事を知ってから、ずっと気になっていた作品でした。
尾田先生は、次のように言っておりました。
漫画:四月は君の嘘
作者:新川直司聞こえる音楽。漫画が全も苦手なジャンル
”音楽”の表現がまあ見事。
映画やイラストで時々日本人が見せる独自の距離感
次のコマに目をやるのがもったいないくらいイイ。
面白い漫画を時々読みたいので
ネットでたまに「面白い漫画」を調べて読みます。
時間もないし、たいがい1.2巻で、なるほど。
と読むのをやめるんですが。
グイグイ引き込むんじゃないよ!
冗談じゃない!!
締め切り前でちょっと気分転換のつもりだったのに
全巻読んでしまってこっちが原稿落とす所でした。尾田先生直筆の回答をそのまま引用
僕は勿論、ワンピースの愛読者でもあるのですが、尾田先生がここまで言う漫画なんだから、絶対に音楽のシーンでシビレさせてくれるだろう!このくらいの先入観しかない状態で読み始めました。
四月は君の嘘を読み進めて
あまり映画に興味もなく、アニメも当時は知らなかったくらいなので、前評判で「泣ける作品」という情報を持っていないまま読み進めていました。
原作漫画は尾田先生の感想と同じく、僕をグイグイ引きこんでいきました。
音の出せない漫画の世界なのに、演奏シーンの演出は秀逸。鳥肌、涙モノ。
ポエムと叩かれる事も多い言葉回しなども、僕には不思議と心地よく、作品の「美しさ」と調和した良いバランスだったと感じています。
尾田先生の感想の中にもある、「次のコマに目をやるのがもったいないくらいイイ」これも強く感じました。2,3ページ戻って見返す事が今までで一番多かった作品かもしれません。
作品途中の演奏シーンの中で、観客が、この演奏の時間が終わってしまうのが勿体ないというような意味合いの発言をしますが、僕自身も8巻くらいまで読んだあと、あと3巻くらいで読み終わってしまうのが勿体ないと思えたくらい。僕を引きこんでくれました。
四月は君の嘘、ラストシーン
この作品を語る上で外す事の出来ない、ラストシーン。
このラストを観る前の感想でも、上記の通り僕はどっぷりこの世界に浸っていました。
そして迎える、ラストシーン。
本当に、ぶん殴られたような衝撃でした。
死んでしまうかもしれないフラグは何度もたっていましたが、直前に公生の前で一つの”奇跡”を起こしていたり、公生と共に過ごす事で、”未練”が出来、手術に踏み切った状況。そして何よりこれが少年誌であるから、最後はヒロインに助かる展開でいいじゃないか。助からないならせめて、”未練”を叶えさせてあげて欲しい。(ただの願望です。きっと僕も宮園かをりに恋をしていたのかな)
僕は基本的に主人公やヒロインが死んでしまう作品は好きではありませんし、そのような作品を全く見た事が無い訳ではないですが、そのような作品で心に残っている作品もありません。漫画、アニメの世界くらい、スカっと爽快になるような幸せな想いに包まれたい。と考える方の人間です。
でも、宮園かをりの死は必然だったと思います。
宮園かをりはこの作品の最後でただ”死んだ”のではなく、
余命わずかの少女が、後悔を天国に持ち込まないため、好き勝手に”生き抜いた”1年だった。
その結果、この物語の大きな主軸となる”主人公の成長”に大きく絡み、
憧れの存在だった主人公の心に、忘れられない思い出を深く刻みつける事が出来ました。
母親の死に対する先生の言葉で、
「悲しみが彼を成長させるのだとしたら それは――鬼の
という表現がありました。
宮園かをりが刻み込んだモノもきっと、公生を更なる高みへと導くはずです。
結果的にこの作品は僕の嫌いな「最後にヒロインが死ぬ」物語ではあった訳ですが、きっと僕はこの作品を良作として、忘れないと思います。人にも勧めたくなるような作品ですし、また思い出した頃に見返してみたいと思うような作品でした。
何故なんだろう?
一つは、上にも記した必然性。
そして、この作品の恋愛観の微妙な切ないバランスが美しかったからだと思いました。
ヒロインが死んでしまう話で有名な作品で良くある流れ、主人公とヒロインを一度完全に恋人関係にし、残りの時間を涙、愛しい、涙、愛しい、涙、の中で過ごさせ、病床で抱きかかえながら死を迎え、残された方が号泣、絶叫、、、。典型的なお涙頂戴。
このような流れを取れば、勿論もっと泣けるシーン自体は増やせたのかもしれません。
でも、四月は君の嘘では、主人公・ヒロインは「告白」すらしていません。
死にゆく宮園かをりは、殆ど弱音すら吐かずに皆の前では気丈に振舞う事が多かったです。
好きであったことすら、最後まで隠し通しての最後の手紙の中での告白、、、。
反則です、、、。
この作品のラストを見ると、1話からずっとこの最後を想定して書き込まれていた部分が多く存在する事に気付く事が出来ます。
2周目を宮園かをりの視点で見る事で、また一味違った作品として楽しめます。
原作は、月刊誌で3~4年くらいの期間をかけて書かれたものだと思いますが、その期間の全てがこのラストの為にあり、連載なのにも関わらず、ラストを引きのばしたり、変更したりする事もなく、最後まで完成された事に敬意を称したいです。
本当に素晴らしい作品でした。
僕は今、子供時代に挫折したピアノをまた弾きはじめました。
4月に5歳になる娘は、「キラキラほし」を近く、発表会で演奏する予定です。
【マンガ全巻を手に入れるなら】
漫画は安いので大人買いがいいかな?
11巻完結なので、お財布にも優しいですね。
アニメのDVDやブルーレイは限定版しかないみたいで馬鹿みたいに高いです・・・。
アニメを配信しているサービスに登録するのが良さそうです。
今現在、dアニメストア、Hulu、Netflixなどで配信されているようですが、お勧めはdアニメストアかな。日本のサービスだし。
dアニメストア 四月は君の嘘(全22話)
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